最近楽天ポイントせどりデビューする人が増えてきましたが、税金の知識なしに始めた人も少なからずいるでしょう
ただし、稼いだ分については確定申告をきちんとしないと後で追加で税金を払うことにもなりかねません。
この記事では、楽天ポイントせどりで獲得した楽天ポイントは課税対象になるのか、確定申告ではどのような扱いになるのか。
これについて徹底解説します。
楽天ポイントの税制上の扱いは非常にきわどいところもあり、ブログでも誤った情報を発信されている方もいるのが現状です。
楽天ポイントは確定申告必要?
ポイントの帳簿付けはどうしたらいいのかしら
こんな方の悩みを解決する記事になっています。
国税庁のホームページや、ポイントなどに詳しいプロの専門家、税務署に問い合わせた内容を根拠に、楽天せどりで稼いだ楽天ポイントの扱いをどうすべきかを解説していきます。
それでは本編へどうぞ
楽天ポイントの確定申告は必要か
結論から申し上げると、楽天ポイントせどりで獲得した楽天ポイントのうち経費や生活費を含め消費したすべての楽天ポイントが課税対象になります。
「消費した」というところが重要で、ポイントは使わずに持っているだけ、もしくは失効した分については課税対象になりません。
とはいえ、最初にお話した通り、ポイントの税制上の扱いは非常にきわどいところがあります。
以降では、消費した楽天ポイントがすべて課税対象になる理由について、根拠を踏まえ解説していきます。
課税対象になる3種類の所得について
課税対象になる所得のうち、企業が配布するポイント(楽天ポイント)に分類されうる所得には「事業所得」「一時所得」「雑所得」の3種類があります。
基本的に得られた所得(売上高ー経費)はすべて課税対象になりますが、このうち、一時所得のみ別枠で、税制上のメリットが非常に大きいです。
得られる所得の分類によって税制上の扱いが大きく異なるため、どの所得に分類されるかが重要になってきます。
ここで、それぞれの所得の定義をみてみましょう。
- 事業所得:事業から生じた所得
- 雑所得:継続性がなく事業とまでは呼べない一時的な所得
- 一時所得:「営利を目的とする継続行為から生じた所得以外の所得」で、不定期にたまたまもらったお金、ポイント
がこれに含まれます。
参考までに、国税庁ホームページの内容を引用します。
「事業所得」…農業、漁業、製造業、卸売業、小売業、サービス業その他の事業を営んでいる人のその事業から生ずる所得をいいます。
「一時所得」…営利を目的とする継続的行為から生じた所得以外の所得で、労務や役務の対価としての性質や資産の譲渡による対価としての性質を有しない一時の所得をいいます。
この所得には、次のようなものがあります。
- (1) 懸賞や福引きの賞金品(業務に関して受けるものを除きます。)
- (2) 競馬や競輪の払戻金(営利を目的とする継続的行為から生じたものを除きます。)
- (3) 生命保険の一時金(業務に関して受けるものを除きます。)や損害保険の満期返戻金等
- (4) 法人から贈与された金品(業務に関して受けるもの、継続的に受けるものを除きます。)
- (5) 遺失物拾得者や埋蔵物発見者の受ける報労金等
引用: 国税庁ホームページ- 一時所得
「雑所得」…利子所得、配当所得、不動産所得、事業所得、給与所得、退職所得、山林所得、譲渡所得及び一時所得のいずれにも当たらない所得をいい、例えば、公的年金等、非営業用貸金の利子、副業に係る所得(原稿料やシェアリングエコノミーに係る所得など)が該当します。
楽天ポイントせどりは事業所得 ※一時所得(50万円を超えた分が対象)とするのは誤り
楽天ポイントせどりはポイントを利益として考える事業に相当するので、得られた利益や楽天ポイントは事業所得になります。
事業所得ということは、得られたポイント(利益)はすべて課税対象になり、確定申告が必要ということになります。
一時所得は税制上のメリットが非常に大きいですが、一時所得=「営利を目的とする継続行為から生じた所得以外の所得」ですので、残念ながら楽天ポイントせどりで得たポイントは対象外です。
事業所得と雑所得とは明確な境界線はありませんが、継続的に得られる所得であるかがポイントになります。
事業所得のほうが税性上のメリットが多いですが、迷ったら近くの税務署に相談するとよいでしょう。
楽天ポイントの扱いがあいまいとなっている理由
先ほど解説したように、楽天ポイントせどりで獲得した楽天ポイントは「事業所得」に分類されます。
一方で、ポイント分は確定申告しないでいい
このような意見も散見されます。なぜでしょうか。
国税庁のホームページ 「個人が企業発行ポイントを取得または使用した場合の取扱い」 の項目では、企業発行ポイントは原則として確定申告をする必要はないとしています。
その内容を一部引用します。
一般的に企業が発行するポイントのうち決済代金に応じて付与されるポイントについては、そのポイントを使用した消費者にとっては通常の商取引における値引きと同様の行為が行われたものと考えられますので、こうしたポイントの取得又は使用については、課税対象となる経済的利益には該当しないものとして取り扱うこととしています(以上、国税庁HPより引用)。
引用元:No.1907 個人が企業発行ポイントを取得又は使用した場合の取扱い|国税庁 (nta.go.jp)
要するに、”ポイントはお店側の値引きとし、ポイント分を経済的利益とはみなさない”、すなわちポイントは課税対象ではないと言っています。
方や、楽天ポイントせどりのようなポイントを利益と考える事業では、企業発行ポイントは課税対象となる事業所得と解釈できますので、矛盾が生じてしまいます。
これがポイントを課税対象と考えていいかどうかがあいまいである理由です。
なぜこのようなことになっているかというと、税制上では、楽天ポイントせどりのようなポイントを利益として成立する事業を想定していないことが考えられます。
それだけ楽天が大量にポイントをばらまいているということだね(笑)
とはいえ、楽天ポイントせどりが「ポイントを利益として考える」ビジネスである以上、ポイントも経済的利益となり、課税対象となると考えてください。
もちろん、ポイントを利益に計上しないのは脱税にあたります。
昨今、これだけ楽天ポイントせどりがはやったり、ポイントの役割も大きくなったりしているので、税法上のポイントに対する認識が改められる日が来るでしょう。
帳簿の記録は7年間残るものですので、しっかりと確定申告をしていきましょう。
楽天ポイントせどりをやるなら会計ソフトを活用しよう
確定申告をするには、日々の帳簿付けが必須になります。
せどりを長くやっている人の中には、税理士に帳簿付けを丸投げしている人も多いですが、
今は簿記の知識がほとんどなくても、会計ソフトを使えば、より低コストで帳簿付けが可能になっています。
せどり初心者もしくは月2千円以上確定申告の経費に使っている人は検討の余地ありです。
そこで、この章では確定申告初心者におすすめの会計ソフトを紹介します。
おすすめの会計ソフトは3つ、「freee」「MFクラウド確定申告」「やよいの青色申告オンライン」になります。
書籍「フリーランス・個人事業の青色申告スタートブック」で紹介されていた3つで、いずれも初心者向けで、どれをとっても間違いはありません。
プランによって細かい機能に違いがあるので、確認してみて下さい。
特徴を以下にまとめます。
- freee…最も初心者向き。お小遣い帳をつける感覚で入力ができる。質問を答えていくだけで作成が可能。入力画面が複式簿記の形式になっていないので、簿記を学んだ人は見にくいかも
- MFクラウド確定申告…仕訳入力の自動、手動を選ぶことができる。入力画面がシンプルで見やすい。簿記を覚えたい人におすすめ
- やよいの青色申告オンライン…初心者向けかつ最もリーズナブルに複式簿記帳簿が作成できる。セルフプランは無料期間1年とお得。
会計ソフト | プラン名 | 年額(税抜) | 電話サポート | 無料お試し期間 | プラン比較 |
MFクラウド確定申告 | パーソナルミニ | 9,600 | MFクラウド確定申告 プラン比較 | ||
パーソナル | 11,760 | 1カ月 | |||
パーソナルプラス | 35,760 | ○ | |||
やよいの青色申告オンライン | セルフプラン | 8,000 | 1年 | やよいの青色申告オンライン プラン比較 | |
ベーシックプラン | 12,000 | ○ | |||
トータルプラン | 20,000 | ○ | |||
freee | スターター | 11,760 | 30日間 | freee プラン比較 | |
スタンダード | 23,760 | 30日間 | |||
プレミアム | 39,800 | ○ | 30日間 |
プラン比較などを参考にして選んでみて下さい。ちなみに私は、リーズナブルをとってやよいの青色申告オンラインにしています。
楽天ポイントの具体的な仕訳方法
楽天ポイントの帳簿付けに悩む人がいると思います(自分もそうでした)ので、この章では楽天ポイントが絡んだ取引の仕訳、勘定科目、帳簿付けの基本的なところを解説します。
(ポイントの記帳は税務署、担当者によって見解が変わりますので、参考までにご覧ください。)
基本的にポイントは付与される日でなく、使用した日に計上、記帳を行います。
使用したポイントの勘定科目は雑収入とします。
楽天ポイントが絡んだ仕訳の例 5選
楽天ポイントが絡んだ仕訳の例をご紹介します。繰り返しになりますが、税務署によって見解が分かれることもあるかと思いますので、参考までにご覧ください。
1.仕入れ(5000円の商品)の支払いを全てポイントにした場合
借方 | 貸方 | ||
仕入 | 5,000 | 未払い金 | 5,000 |
未払い金 | 5,000 | 雑収入 | 5,000 |
計上日は仕入れ日になります。
貸方を未払い金で計上、それをポイント(雑収入)で相殺します。
未払い金が同額貸方、借方にあるので、消してもいいかと思うかもしれませんが、税務署に聞いたところ、明確にするために記載しておいた方がいいとのことです。
2.仕入れ(5000円の商品)の支払いの一部(2000pt)をポイント、残りをクレカ決済にした場合
借方 | 貸方 | ||
仕入れ | 5,000 | 未払い金 | 5,000 |
未払い金 | 2,000 | 雑収入 | 2,000 |
計上日は仕入れ日になります。
ポイントで当てた分を雑収入で記載します。カード引き落とし日に残りを普通預金で計上します。
3.ポイントを生活費2000円(例えばスーパーでの買い物)に充てた場合
借方 | 貸方 | ||
事業主借 | 2,000 | 雑収入 | 2,000 |
計上日は買い物をした日になります。
事業に関係ないことに使ったら事業主貸として処理します。相手方は雑収入(ポイント)になります。
4.ポイントを家賃の支払いに充てた場合(2万円分をポイント、残りをクレジットカード支払い)
①家賃支払い日に計上
借方 | 貸方 | ||
地代家賃 | 50,000 | 未払い金 | 50,000 |
家賃を地代家賃として、一度貸方を未払い金で処理します。
②クレジットカード引き落とし日に計上
借方 | 貸方 | ||
未払い金 | 50,000 | 普通預金 | 30,000 |
雑収入 | 20,000 |
未払い金を支払いに充てたポイント(雑収入)、残りを普通預金で貸方に記載します。
※家賃は全額経費にできないので注意です
5.ポイントをカード支払い額(50万円のうちの4万円)に充てた場合
借方 | 貸方 | ||
未払い金 | 500,000 | 普通預金 | 460,000 |
雑収入 | 40,000 |
計上日はカード引き落とし日になります。(ポイント支払いの申請をした日ではありません)
ポイント支払い分を雑収入、残りを銀行から引き落とされる分で普通預金にします。
以上、ポイントが絡んだ仕訳の例を5つ紹介しました。あいまいな部分は税理士さんや近くの税務署に聞いてみてください。
まとめ
楽天ポイントせどりにおける、楽天ポイントの確定申告での扱いについて解説しました。
現状、ルールがあいまいな部分もありますが、結論は、楽天ポイントは経済的利益とみなされ、課税対象になります。
せどりを取り組んでいる以上帳簿付けは必須ですし、今後大きく稼いでいくうえで確定申告は避けては通れません。
会計ソフトも無料で使えるものもありますのでぜひ、これを機会に会計ソフトを登録してみて、帳簿付けの習慣を身につけていきましょう!
せどりの確定申告の手順、節税対策については別記事で解説しているので、併せてご覧ください。
せどりの収益が伸び悩んでいる方はこちらの記事もチェック!
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